椎茸粉だと粉末がお料理に残りますが、軸水だしは液体なので見た目も美しく、料理全体に均一にうま味を深める効果があります。軸にこだわらなくても、干し椎茸10gと水1リットルを目安にお使いください。
干し椎茸の軸を折ってから水戻しすると、傘の中央からグイグイ吸水するので早くふっくら水戻しできますが、それで余った軸はこうして有効活用してくださいね。
椎茸だしは必ず加熱調理してお召し上がりください。冷蔵庫に保管して3日以内にお使いください。
NHK「きょうの料理」などで活躍されてる平山由香先生がベストなダシの濃さを見つけてくださいました。干し椎茸特有のグアニル酸のお陰で、他の食材の天然のうまみがそれぞれ濃厚になります。
もっと簡単に、乾いた軸をそのまま分量の水に浸水して、あとで茶こし等で濾してもOKです。干し椎茸は冷水で戻すと甘味が出て美味しくなります。
【プロ向けのアドバイス】
干し椎茸特有のうまみグアニル酸を減らしてしまう酵素は10~40℃の温度でよく働きます。
このため干し椎茸を10℃以下の低温の水に浸して冷蔵庫でひと晩ゆっくり水戻しするとグアニル酸の量が最大になります。水戻しの温度が0℃近くになると、うまみが最大になり甘味が出てきます。
冷水でゆっくり水戻しした後、加熱するとさらにうまみが増えます。
グアニル酸を増やす酵素は、50~75℃の温度で活性化します。
最も効率的にグアニル酸を増やすには、軸水だしを強火で75℃に加熱して火を止め、10分ほど放置するとよいでしょう。
強火で加熱する理由はグアニル酸を減らす温度帯10~40℃をできるだけ短い時間で通過させるためです。
もっと簡単に、強火でひと煮立ちしてから火を止めて冷ますだけでも十分美味しくなります。
加熱する前に椎茸だし(戻し汁)を濾して細かい粒子を取り除いてから火にかけると澄んだきれいな味になります。
干し椎茸は冷水で戻すと雑味が出ずに甘みが増して美味しくなります。