うどんは禅僧にとって重要な意味があります。禅寺では食事の時に音を立てることは許されず、お粥のおかわりは3杯までですが「うどん供養」だけは盛大に音を立ててすすり、好きなだけおかわりすることが許されています。
約800年前に禅宗の開祖道元が乗った船に中国の老僧が日本産の干し椎茸を買いに来ました。この老僧は禅料理の責任者、典座(てんぞ)でした。彼は片道23キロも歩いて日本の椎茸を手に入れ、最高に美味しいうどんのつゆを作り、若い雲水たちに端午の節句にふさわしい美味しい食事を提供したいと考えていました。干し椎茸にまつわる物語は精進料理のバイブルである「典座教訓」に2回も登場し、道元にとって干し椎茸が引き寄せた大切な出会いであったことがうかがえます。
人数を増やすときや、上等な椎茸を使うときは、椎茸のうまみが濃すぎて苦味を感じることがあります。そのときは椎茸だしを水で薄めるか昆布だしを増やせばOKです。
うどんつゆの出来上がりは330-350mlで時間が経つと味がまろやかになります。
干し椎茸は冷水で戻すと雑味が出ずに甘みが増して美味しくなります。